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考える種を蒔く

スタッフブログ | 株式会社それからデザイン sole color design Co., Ltd ホームページ制作、WEBデザインをはじめ、広告制作を行っている「それからデザイン」スタッフによる本音トーク集。
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プロフェッショナルという落とし穴

突然ですがみなさんは、脚本、というものをご存知でしょうか?
そうです、演劇やドラマなどで、俳優の方が読み上げる台詞(セリフ)が書かれている本のことです。
私も詳しくはないですが、役名が行頭に書かれていて、その下にその役が読む台詞が書かれているという感じのものですね。

ある知り合いの演出家の方が、演劇に詳しくない人にその「脚本」を見せてみたところ、
こんなことを言われて戸惑った経験があるそうです。
「原作はないんですか? せりふしか書いてないの?」
・・・と。
その方は、「この言葉をどういう気持ちで言うのか、どうしてそう言うのか、そういうのも書いてあるのかと思った」そうです。

演劇にたずさわる人にとっては、脚本は台詞のみの進行表的なものであることは常識で、その行間や隙間こそが、演出家や俳優にとっての“表現”であり、腕の見せ所なわけです。
音楽でいうところの楽譜も一緒ですよね。


では、ITではどうでしょうか?(いきなり飛躍しますが・・・)
数年前に、あるIT関連のセミナーでの話を思い出しました。
たしか東京商工会議所が主催していた「ネットで売上げアップの極意(←いい加減です)」のようなタイトルのセミナーで、企業の経営者向けのものだったのですが、そのセミナーの講師の方が、60代の自分の親に「Yahoo!JAPAN」のトップページを見せてみたそうです。
そうしたら、その講師のお母様は、上から「ショッピング、オークション、ニュース、天気・・・・」と読み上げていき、一番したまで読み終えた後に、こう質問してきたそうです。
「で、Yahoo!の使い方はどこに書いてあるの?」
・・・と。

その話を聞いて、私は「本当かよ!」と思わず言ってしまいそうな気持ちになりました。
しかし、はたと、自分の親に同じことやってもらったらどうだろうか、とか、妻のご両親はどうだろうか、とか、まだインターネットの普及していない国の人ならどうか、とか、様々に思いをめぐらせてみると、
「たしかに、見たことなければ分からないかも・・・」
というところに行き当たるのです。

私たちは、Webのプロですから、当然毎日インターネットを使いますし、HTMLやPHPのコードを書いてホームページを制作しています。
そして、そのような生活を10年ほど続けていくと、Yahoo!なんてなかった時代のことは全く思い出せなくなっていたり、インターネットを普段使わない暮らしをしている方の気持ちが分からなくなっていったりします。

実際、現在のWeb制作会社のほとんどが、ITリテラシーの高い人だけを当たり前のように対象としているサイト制作やアプリ開発に従事しています。
しかし、実際のところ、ITに取り残されている(という表現も適切ではないですが、ここでは分かりやすく表現させてください)方々の「インターネットを使えるようになりたい」という気持ちや、中小企業の「インターネットを活用したいけどどうしたものか・・・」という状況は、放置されがちなわけです。


プロフェッショナルや専門家という存在は、その道のトップランナーであって、技術向上の面ではとても意識が高い方が多いですが、「世の中の役に立っていく」という意識については、残念ながらあまり持ち合わせていない方も多いのではないか、と感じます。

その道のプロであれば、「裾野を広げていく」活動も私は大切なのではないか、と思っています。
Yahoo!の使い方が分からない、という方が実際には多くいらっしゃるのです。
企画開発、デザイン、コーディング、プログラミング、システム、すべての仕事において、「困っている人の役に立つ」ことを念頭において、今後も取り組んでいきたいと思います。

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