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考える種を蒔く

スタッフブログ | 株式会社それからデザイン sole color design Co., Ltd ホームページ制作、WEBデザインをはじめ、広告制作を行っている「それからデザイン」スタッフによる本音トーク集。
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正しい言葉も、乱用され、古びていく

それからデザインという会社は、社名にもデザインと入っているように、
Webサイトをデザインしたり、ロゴマークをデザインしたりする会社です。
そういう会社は、このご時世、数だけはものすごく多くて、
その中で特徴を持ち、クライアントから選ばれ続けていくことは、
大変難しいことであると実感します。

私がこの仕事を「自分の仕事」として選び、日々模索しながらも、独立してから今年で9年。
来年は「それからデザイン」という名前を世に放ってから、10年ということになります。
少しは歳を取りました。

10年近くもこの仕事をやっていると、その間に、世の中にもいろいろと変化がありました。
リーマン・ショックや、東日本大震災など、大きな社会的変化は、
私たちのような広告をデザインする仕事には、
少なからず影響があったことは言うまでもありません。

デザイン会社として、求められる能力も、時世とともにぐらんぐらんと変化してきました。
たとえばWebの場合は特に顕著で、
2007年前後は、Flashでいかに派手でインパクトのあるものが作れるか、
がコンペで勝利するひとつの条件のようなところがありました。
iPhone,iPadの台頭とともに、今ではすっかり影を潜めて、
多くのWeb制作会社は、Flashから手を引いています。

私が独立し、それからデザインを立ちあげて間もない頃、
やはり社名を持つ以上は、企業理念が必要だと思い、
「デザインとは何か」
「何のためにデザインをするのか」
「なぜ自分はこの仕事を選んだのか」
などを、自問しました。2004年のことです。

有名なデザイナーのサイトや、クリエイティブ系の会社のかっこつけたサイトなども見て、
私にはどうも腑に落ちないものを感じていました。

かっこいいことは、もちろん大好きです。
ただ、その評価を誰がどのようにするのか、が問題であると思います。

好きな言葉のひとつに「用の美」という言葉があります。
私の勝手な解釈が入るかもしれませんが、
「実用性の中に美しさがあり、また実用されることそのものも美しいこと」
という意味であると思っています。

美術作品には、いろいろな形があるとは思いますし、
観賞用として存在することだけでも意味を持つことはあるでしょう。
ただ、私が、自分の会社で、自分の一生の仕事としてやる「デザイン」は、
実用性とは切り離したくないな、と思います。
依頼主の役に立ち、成果を生み出すための道具でありたいと思います。
そして、使われることで美しさが完成するものを目指したいと思っています。


話が前後しますが、時は流れ、今はアベノミクスなる言葉も流通し、
ロハスって何?それ食えるの?みたいな時代に進んできています。
追い込まれた日本が、実用性を再び求め始め、
多くのデザイン会社のサイトでも、「目的を叶えるデザインを作ります」とか、
「コミュニケーションをデザインします」というような言葉を打ち出すようになりました。

これもまた、私にはどうも腑に落ちないのです。
それでは、肝心のデザインは変わったのでしょうか?
制作過程において何か大きな変化が生まれたのでしょうか?
それだけの勉強や研鑽をデザイナーは積んでいるのでしょうか?

デザインって無形物です。
突き詰めないと、本当に何とでも言えてしまう怖さがあります。


独立して間もない頃に出会った一冊の本があります。
タイトルにまず惹かれました。

お客のすごい集め方

この中で実に面白いデザイン実例の比較があります。
ラーメン屋のポスター事例で、プロのデザイナーが作ったキレイなものと、
店主がマジックで想いを書きなぐったものの比較。
本では、どちらが反響のくるデザインでしょうか?と問いかけています。

例がちょっと極端にはなるのですが、この本を読み、
デザインしないこともデザイン、という場合があることを知り、
これは大変おもしろいことだと感じました。

私がデザインをする目的は、とてもシンプルです。
依頼主とともに、求める成果を達成するために、デザインを戦略的につくりだすことです。
そのためには、感性も必要ですし、理性も必要です。
そして、社会情勢や顧客心理、依頼主の事業へ深い理解を得ることが絶対条件になります。

そういうことが、「コミュニケーションをデザインする」ことだと思っています。

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